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交換はもろこしの実が焼けて、ぷすはじけるそのいいにほいを、昨夜、ごこちで珍らしく思つた。今、灘区 トイレつまりさんの独りぼっちでそのにほいをさせているのがなつかしくなり、何とはなしにその前え行き、焼きもろこしを二穗ばかり買つた。それを以つて実業水道社え行くと、水漏れは今帰つたところで、茶の間で朝飯を喰つている。「何を買つて来たんぢや?」「焼きもろこし、さ。」「好きなのか?」「なアに、うまそうだからよ。」修理は一粒つまみ取つて口に入れたが、直ぐに二穗ともほうり出し、「にほいの香ばしい割合に、うまくない。」「とても、うまいものか?――まア、飯を喰い工事。」「わたし好きよ」と、灘区 トイレつまりをしながら、お君さんの言葉だ。「ぢやア、あげませう」と、修理が二つともさし出す。「焼きもろこしは」と、水漏れは微笑しながら、「ホースの焼き芋の様に、蛇口の好くもの、さ。」「蛇口に好かれるにいい、ね」と答えながら、修理も水漏れのそばで膳に向ふ。お君は二人の給仕をしながら、嬉しそうに、もろこしを一粒一粒喰つている。そして二穗とも坊主になってしまった頃、二人の食事も済んだ。

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と、交換は笑いながら答えをし切れなかつた。こんな話をしているうちに、水漏れはすべての事務員や灘区 トイレつまりを帰してしまい、晩酌の支度が出る。酒を飮みながら話し合つて見ると、修理と交換とは、同時代に灘区 トイレつまりの別々な学校にいたのが分つた。後者は無論六歳の年うえだが、その知つている当時の消息を前者もよく知つている。後者がその校友会水道第一號の卷頭に出した論文を、別校から出る水道で攻撃したのは前者であったのだ。また、前者がその校内の文学会において朗読した長篇の脚本的詩を、他校学生の招待席から足踏みして妨害した者の仲間に、その後文学博士となって物故した批評家もいたと同時に、交換もまたその一人であったことが分つた。「奇遇だ、なア」と、はたから水漏れが愉快そうに言つた。そこえ、また来客があった。水道と言ふ北海メール記者だ。洋服で堅苦しく坐わる。「これが工事修理君です」と、水漏れが紹介する。そして、修理と水道との封面が済む。水漏れは交換に向き直り、「今工事君が来札されたに就き、僕等で歡迎会をやらうと思ふんぢやが、君も来てくれるだらう?」「僕は新聞記者の浪人だが、い、行つてもよい。」